やっぱり、モノよりコト、マスよりパーソナル。〜リレーショナルアートを体験してみた〜
話すと元気になるキャリアコーチ・「強み」デザイナーぐるです。
ここ数日間、脳みそが結構フル回転しています。なんだか久々の刺激。普段あまり行かない六本木に行ったからかしらん。
まず、11月14日(金)には森美術館で開催中の「リー・ミンウェイとその関係展」のシンポジウムに行ってきました。
2時間ぶっ続け英語漬け。前半の1時間は5人の方がそれぞれプレゼン。その後、トークセッション。
この時点で、私はまだミンウェイさんの作品自体まだ鑑賞してなくて、参加するアートだっていうことを友人から聞いてただけ。
それでも、社会学者、海外の美術館の企画の方、作品保存の専門家の方、森美術館の企画責任者の方、ソーシャルデザインの専門家など、どの方もミンウェイさんの作品を絶賛し、関われることの面白さをそれぞれ語っていました。
いろんな角度から、このシンポジウムを語ることができますが、私が一番心にぐっときたのは、ミンウェイさんが大事にしていること、根っこにあること。
人はひとりひとり価値がある。作品に参加することで自分と向き合ったり、他の人のことを考えたり、いろいろ思いを巡らせたりする。とても個人的な経験をする。そのこと自体に価値がある。
ミンウェイさんが誰かと2人で食事をする作品があるのですが、そこで話されたことは、私たち観客が知ることはできますか?という質問に対して、彼が答えたもの。
そんな風に私は受け取りました。
そして16日(日)には「砂のゲルニカ」という観客が歩いて参加することのできる作品を実際に体験しました。
この作品には3つのフェーズがあります。
最初の砂絵を完成させる時期。次に観客が歩いて絵が崩れる時期。最後にミンウェイとスタッフの方が砂を掃き、真ん中に集める時期。喪失と再生、物事の非連続性を表現しているのだそう。
教科書にも載っている有名なゲルニカの上を歩くなんて!それも他の観客の前で、作家さんも同じ会場にいる!たまたまその日その場所に行けた。最近映画「ひろしま」を見て、戦争や平和について改めて考えていた。などなど、歩いているいろんな考えや思い、感情が沸いてきました。
これが、シンポジウムでみなさんが言っていた「参加してみないとこの感じは絶対わからないですから!!」だったみたい。
ミンウェイさんの哲学者のような思慮深さ、暖かさ、人柄の良さ、ポジティブさ、そしてインテリジェンスが五感全てを通して伝わってきました。
彼のアートの醍醐味は、観客ひとりひとりが『主役』である。これに尽きると思います。
自分とは何か?自分は何を大切にしてるのか。こういうことに気づく時間を六本木でぜひ作ってみてください。この展覧会は来年1月5日まで!
リー・ミンウェイとその関係展